シンプル・アンド・スタイリッシュについて

今日は当社のデザインテーマである「シンプル・アンド・スタイリッシュ」の理念について紹介します。
シンプルな空間はそれ自体でミニマルな生活を意味するとは限りませんが、シンプルな空間で暮らすことは生活の「ピクチュアレスクさ」、つまり絵画的な美しさを誘発します。現代的な言葉で言えば生活の一つ一つの局面が「インスタ映え」するような暮らしを誘発します。2畳の茶室の中では動作が制限されることによって美が生み出されるのと同様に、抑制されていると同時に自由な生活美を誘出すると考えられます。
すると、過剰に強権的にデザインされた遊園地の遊具”的なデザインと同様に、ミニマルなデザインも一種のデザインの監獄として機能し、ユーザーの生活や行動を制限することになります。一方でこのミニマルな空間の中で暮らす生活の局面に現れる美しさの感情は、古典主義的な合理性の美というよりは、個々人の感情の中に呼び起こされる非合理的なロマン主義的な美しさを含んでいます。はたして「インスタ」に投稿される「映える」画像や動画は合理的なものでしょうか?そうではなく合理的な「シンプル」な空間は、ユーザーの非合理的な、根源的な感情に働きかける作用を有します。その意味でシンプルな建築は現代的な見た目の中に、合理性とロマン主義的な非合理性の2つの側面を有しています。

現代都市での暮らしのように不安定な状況下においては、行動が一定程度制限されることによってかえって意思決定の不確実性とストレスが低減し、心理的な安全の確保や、自分自身や周囲の状況をコントロールできているという「制御感」の獲得につながるとされます。しかし過度な行動の制限、行きすぎたデザイン上の制約を与えることは個人の自由意志を阻害し、かえってストレスの原因ともなります。この意味で、「シンプルな空間」というのは過剰に行動を強制される抑圧的なデザインでもなく、「ここで何をすればいいのか」というぼんやりした不安を抱かせるような平凡なマンションの1室のような平凡な空間でもなく、ユーザーに自由を与えつつも一定程度の引き締まった緊張感を与えるような、心理学的な意味で中庸に位置する空間を意味しています。
シンプルな空間の中で、抑制され、しかし一定の自由度をもって送る生活、そのようなピクチュアレスクな生活を、当社は「スタイリッシュ」な生活と規定します。意識的に、あるいは無意識的に、シンプルな空間の中にふさわしい動きを取ろうと抑制された身体運動を取ること、これは「スタイリッシュ」な活動です。こうして「シンプル」から「スタイリッシュ」が生じます。

当社のquadorあるいはCherimシリーズは、このようなシンプルなデザインとスタイリッシュな暮らしを目指してデザインされています。建築のデザインとは、眺めるだけではなく、中に入り、身体的に感じ取ることによって成立します。写真を見るだけでは感じ取れないシンプルかつスタイリッシュな空間を、quadorあるいはCherimシリーズのオーナーとなって感じ取っていただきたいと願い、今日は当社のデザイン思想について考察させていただきました。
経営企画室YY




