Cherimシリーズが取得-劣化対策等級3について解説
いつもブログを見ていただきありがとうございます。最近、マッサージガンを購入しました福岡設計チームの本田です。
今回は、近年Cherimシリーズ全棟で取得している劣化対策等級3について解説いたします。
劣化対策等級3は、建物が限界状態に至るまでの期間が3世代以上(75-90年)になるための必要な対策がなされていると判断できる建物に与えられる等級です。ちなみに、等級2は50-60年、等級1はそれ以外と規定されています。それでは、Cherimシリーズでどのような劣化対策が行われているか、具体的に解説します。
①外壁通気工法を採用
外壁材と木軸組みの間に15mm程度のスペース(通気層)を設けており、雨水が木軸組みに直接触れないように工夫されています。木が腐る要因は、栄養・水分・酸素・温度であり、そのうちの水分を取り除く措置として有効な工法です。また、木は呼吸をすると比喩されるように調湿作用があります。室内の湿度を多少なりとも吸湿してしまうので、それらを通気層から放湿できるしくみになっています。
②軸組み部に防腐・防蟻剤を施工
木が腐る要因のうち、栄養を取り除く措置として採用しています。特に最も雨水に触れる可能性がある土台部分(建物の足元付近)は工場で薬剤注入したものを使用することで腐食しづらくしています。この措置はシロアリ対策としても有効なものとなっております。
③基礎高さを地盤面から400mm以上確保
上記に記載したように、基礎の上に敷かれる木の土台は、最も雨水に触れる可能性がある部材です。防腐剤の施工のみならず、物理的に地面から距離をとることで、腐食対策をしています。
④べた基礎を採用・基礎下に防湿フィルムを施工
こちらは防湿・防蟻対策として採用しております。地盤に直接接している基礎の上部にある1階床組の劣化対策です。1階床下には、配管を点検するための空間があり、そこに湿気がたまって腐食の原因になったり、シロアリが侵入しないように地盤面に厚みのあるコンクリートを施工することで地盤と切り離すように計画しています。
⑤屋根断熱・屋根通気工法を採用
木造建物で多く劣化している箇所の一つとして、小屋裏があります。劣化の原因は結露や多量の湿度、屋根からの雨水の侵入です。結露するメカニズムは冬場を想像するとわかりやすいですが、室内を暖房して大量の水分を含んだ空気が小屋裏に移動します。屋根付近は外部に近く冷たいため、そこに結露が発生します。夏場も夜間に同様の現象が起きるので、1年中腐食が進みます。屋根断熱・屋根通気工法を採用することで、断熱材により小屋裏内が室内温度に近似し結露が発生しにくくなり、外壁通気工法同様、雨水が木軸組みに直接触れず、通気層により木が乾燥した状態を持続できます。
⑥ユニットバスを採用
近年、賃貸マンションで在来工法の浴室は少ないので、特筆すべき点はありません。もし在来工法を採用する場合は駆体が腐食しないよう防水計画に留意する必要があります。
⑦建築基準法に適合
これは当然のことですが、等級を取得するための必須項目ですね。建築基準法の中にも劣化を抑制するための条文がいくつかありますので、そちらも審査対象となっています。また、この等級を取得するために、建設時に性能評価を認証してくれる第3者機関に検査を行ってもらっています。
※性能評価の等級は地域性の高い異常気象は考慮されておらず、日常の清掃や点検、簡単な補修を行っていることが前提とされていますので、ご注意ください。
この他にも細かな規定がいくつもあり、それらをクリアすることで劣化対策等級3を取得しています。現在木造アパートの減価償却年数は22年とされていますが、そこで価値がなくなるとは思いません。Cherimシリーズが住民の方に長く使い続けられ、オーナー様や地域の方々に長く愛される建物を目指して商品開発に取り組みたいと思います。
最後まで見ていただきありがとうございました。
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