木造超高層ビル??
こんにちは。経営企画室長のYYです。今回から私もブログを担当することとなり、その初投稿になります。
当社は投資用のRCマンションquador(クアドール)シリーズと木造アパートCherim(シェリム)シリーズを開発販売していますが、このブログは木造アパートシリーズ「Cherim(シェリム)」のブログということで、私からは木造建築の最先端について紹介したいと思います。
「木造超高層」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか?「木造なのに超高層??」と感じるインパクトの大きな言葉ですね。まだ鉄骨造のように30階建・50階建といった超大規模なものは実現していないのですが、日本でも2024年9月時点で18階建・高さ84mの木造ビルが建設中です。法律的には2000年の建築基準法施行令改正によって都市部でも木造が一律禁止ではなくなったことを受けて技術開発が進んでいます。今日は私が休日に取材してきた、既に竣工済の木造高層オフィスを紹介いたします。
場所は横浜、日本大通り駅の近くにある、大手ゼネコンの研修施設です。ガラスカーテンウォール張りのオフィスビルなので気付かずに通り過ぎてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし良く見ると、まぎれもなく「木造10階建オフィス」であることが分かります。
近づくと、1階部分はガラス張りになっておらず木造であることを主張しています。格好いいデザインに仕上がっていますね!いままでに見たことのない雰囲気が漂っています。
ビル内には入れないのですが、エントランス部分までは自由に入れます。シャープさと温かさが両方ある不思議な空間になっています。
これまでの大規模木造建築は木材を金属の接合部で繋いでいることが多く、あちこちに金属部分の耐火被覆(断熱材)が目立つ仕上がりだったのですが、このビルは表面は完全に「木」しか見えていません。この納まりの精度の高さも凄いですね。
横浜市中心部に立つオフィスビルなので、もちろん法的に耐火建築物である必要があります。
木造で耐火建築物を実現する方法としては、下図のように3パターンが提案されています。
当社のCherimシリーズをはじめとした投資用木造アパートの多くは①に準ずる方法で「準耐火」としています。この建物は②のパターンを採用し、研究所で実際に燃やす実験まで行ったうえで耐火建築物としての「木造高層オフィスビル」を実現したそうです。技術的には②と③のパターンが、「燃えしろ設計」という木造高層特有の耐火技術が活かされている点で「木造らしい」建築だと感じます。中でも②のパターンは構造(荷重の支持)も木造、表面も木造なので最も執念を感じる純木造建築物といえるのではないでしょうか。
残念ながら、木造高層の技術は現在のところコスト的に高く、まだ一般的に普及するまでには至っていません。しかし、木造は自重が軽いので、たとえば杭が必要な地盤の場所でも杭なしで建築できる可能性があったり、普及してくれば十分に「純木造」が投資用不動産の経済合理的な選択肢になってくる可能性があります。そもそも例えば奈良・東大寺の大仏殿は高さ48m・マンションでいうと15~16階建くらいの大きさがあるので、別に木造で丈夫で大きなもの「超高層」が作れない訳はないのです。当社のCherimシリーズは表面を窯業材などで覆ってシャープな外観になっているものが多いですが、将来このような純木造の投資用アパートを提供できる日が来るといいですね。
ではまた。YY