ブログをご覧いただきありがとうございます。福岡支店設計チームの本田です。

今回は、SDGsや2050年カーボンニュートラルといった目標を達成するために建築業界で注目されている木造建築物の最先端事例を紹介します。

街中を見渡してみると、4階建て以上の大きい建物は大抵RC造(鉄筋コンクリート造)やS造(鉄骨造)で作られており、木造を見ることはほとんどないかと思います。それは、木材の短所である燃えやすさが要因の一部です。ですので大規模な木造を計画する場合、燃えてはならない構造躯体を燃えない材料で覆い、耐火構造にしなければならないのです。しかし、下記のプロジェクトは構造躯体を露出させた4階建ての共同住宅を実現しました。

「awaもくよんプロジェクト」

高知県営住宅の建替プロジェクトです。特筆すべきは準耐火構造で木造4階建てを実現しているということ。そして、構造躯体を現しにしているということです。通常木造4階建てを計画する場合は、柱や梁などを耐火構造にした耐火建築物にしなければならないのですが、平成30年の建築基準法の緩和により、火災時に安全に避難できるか、建物が倒壊しないかを検証することで耐火建築物にしない計画を実現させました。おそらく法改正後に実現した初の事例かと思います。また、あらかじめ柱や梁を大きく作り、表層65mmまでは燃えても問題ないように構造設計する燃えしろ設計を採用し、構造躯体を露出させ木材の温かみが感じられる空間になっています。

建物の写真や詳しい情報は、徳島県ホームページをご覧になってください。

【徳島県HP】

https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kurashi/kenchiku/7215816/

しかし工事費は、RC造よりも高くなってしまったとか。

なかなか一般に普及させるのは難しそうですね。しかし、このような新しい挑戦や新技術がこれからの木造建築物の幅を広げ、社会問題解決の一歩になることを期待します。

 

固い話をしてしまったので、先日見学させてもらった大分県の風の丘葬斎場(槇文彦氏設計)の写真を添付します。目の保養まで。